抗酸化作用とは
抗酸化作用とは鉄などが酸化によって錆びるのと同じように人間の体が錆びるのを防ぐ作用のことを言います。
具体的には人間の身体は年齢とともに老化しますが、それは活性酸素によって、金属の錆のように細胞が錆びていくためです。
この錆びる、つまり酸化が活性酸素の仕業なのです。
活性酸素は絶えず身体の中で作られています。これが蓄積されると、単に老化を早めるだけでなく、がん細胞が増殖したり、動脈硬化、
生活習慣病など様々な疾病の原因になっていることが分かっています。
抗酸化物質
抗酸化物質は 体内で発生する活性酸素を取り除き、酸化の働きを抑える物質のことです。
活性酸素は微量であれば人体に健康な働きをしますが、大量に生成されると過酸化脂質を作り出し、動脈硬化、がん、老化、
免疫機能の低下などを被害を引き起こします。
本来人間はこの抗酸化作用を体内に持っていますが、年齢とともに減っていきます。
抗酸化物質には、体内で合成される体内合成抗酸化物質のほかに、ポリフェノールとカロテノイドがあります。
近年注目されている食品のポリフェノールには、ブルーベリーなどに含まれるアントシアニン、大豆に含まれるイソフラボンやサポニン、
ゴマの成分が変化してできるセサミノール、そばに含まれるルチン、緑茶のカテキンと発酵茶(紅茶・ウーロン茶など)の
テアフラビンの総称であるタンニンなどがあります。
カロテノイドは、緑黄色野菜や果物など多くの食品に含まれるβ-カロテンやリコピン、えびやかになど甲殻類や、さけ、
ますなど魚類がもつアスタキサンチンなどが知られています。
また、水素も抗酸化作用の効果があります。分子量の大きい抗酸化物質は消化器官で吸収され主に血流に乗って体を巡りますが、
水素は世の中で一番小さい分子なので体に入ると吸収されながら細胞を自由に透過し広がっていき、体の隅々にまで行き渡ります。
運動によって、当然活性酸素が発生しますが、適度な運動はそれを打ち消すほどの抗酸化作用を高めるので、
抗酸化物質と適度の運動をバランスよくして健康な生活を送りましょう。
抗酸化作用をもつ栄養素
- ビタミンC
皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに、抗酸化作用を持つ栄養素です。
活性酸素を減らすのに最も多く使われる栄養成分でビタミンEとともに摂取することが効果的です。
また、肌にハリを持たせたり、シミを予防する美容効果や、免疫力を高めて風邪をひきにくくする効果、
ストレスに対する抵抗力を高める効果など、様々な効果をもちます。
ビタミンCは水溶性で摂りすぎによる過剰症の心配もないため、積極的に摂りたいビタミンです。
- ビタミンE
若返りの栄養素としても有名ですが、これはビタミンEが強力な抗酸化作用を持っているためで、
過酸化脂質を分解する働きがあり、酸化してしまってもビタミンCがあれば、抗酸化作用を取り戻します。
食物性油脂に多く含まれています。
- アントシアニン
アントシアニンには多くの種類があるのですが、中でもデルフィジニンやアニジンと呼ばれるものは抗酸化力が特に高いと言われています。
この二つはブルーベリーやビルベリー、カシスに含まれていて、アンチエイジングや病気予防に効果的です。
また、β-カロチンやルチン、DHAなどと一緒に摂ると相乗効果があります。
- イソフラボン
イソフラボンは、大豆に含まれる抗酸化成分で、女性ホルモンの一つと言われるエストロゲンの成分に似ていると言われていて、
抗酸化作用にも効果があると言われています。
また、イソフラボンは納豆や豆腐といった食品によって手軽に摂取することが出来ます。
- カテキン
緑茶に含まれる成分で、エピカテキン、エピカテキンガラテ、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレートの
4種を総称してカテキンと言います。
ポリフェノールの一種で、渋味や苦味のもととなる成分です。
カテキンは強い抗酸化作用や殺菌、抗菌作用を持ち、生活習慣病や肥満を予防し、
細菌やウイルスから体を守る効果があります。
- β-カロチン
緑黄色野菜や果物に含まれる色素の成分で、濃い色の野菜や果物ほど多く含まれています。
強い抗酸化作用を持っているので身体全般の老化防止や、肌・髪・爪を健康に保つといった効果があると
言われています。
- クルクミン
カレー粉やターメリック、マスタードなど黄色い食品に含まれる抗酸化成分で、
肝臓の解毒機能を強化する作用や胆汁の分泌を促進する作用を持っており、肝機能を向上させる効果や、
コレステロール値を低下させる効果が期待されています。
- タンニン
緑茶や紅茶、コーヒーなどに含まれる渋みの成分で、抗酸化作用があります。
また、タンニンは便を硬くする効果があるので下痢止めとして使われています。