アリシンとは
アリシンは、にんにくやねぎなどのユリ科の野菜に多く含まれています。
アリシンはにんにくなどに含まれるアリインという細胞が傷つけられ、それにアリイナーゼという酵素が働いて生成されます。
特ににんにくはアリシンを豊富に含む食材であり、にんにくが持つ特有の強い臭いはアリシンによるものです。
にんにく、長ネギ、たまねぎ、にらなどに多く含まれいて、体内でビタミンB1と結合してアリチアミンとなり、
ブドウ糖からのエネルギー産生に効果を発揮するほか、疲労回復、新陳代謝の活性化、血栓の予防、血中脂肪の燃焼促進、風邪の予防・改善、
コレステロール値の抑制、がんの予防などの作用があります。
効果
アリシンの効能は強い抗菌力があることから免疫力をアップさせる働きがあり、疲労回復に必要なビタミンB1の吸収を促進します。
それらの働きが疲労回復成分として注目され、アリシンを含有したサプリメントも誕生しています。
また、新陳代謝を促進したり、胃液の分泌を促す作用もあるので、食欲が落ちているときにも健康維持のため摂りたい成分と言えます。
コレステロール値を抑制したり、風邪の予防効果も高いとされています。
また、血液をサラサラにすることから動脈硬化などの予防効果があり、神経の高ぶりを抑えることから、不眠の改善などの効果があると言われています。
- 疲労回復
人間の疲れを回復させるのに最も重要な栄養素はビタミンB1と言われています。このビタミンB1が不足すると
体内に疲労物質である乳酸やピルビン酸などが溜まって疲れやすくなります。
アリシンはビタミンB1と結合すると体内に吸収されやすくなります。そして血中持続性に優れているアリチアミンという物質になり、
長く体内に留まって充分な疲労回復効果を発揮することができます。
アリシンを継続的に摂り続けていれば疲労回復の大きなサポートなり、大切な栄養素です。
- 生活習慣病の予防
糖尿病や高血圧をはじめとする生活習慣病は、コレステロール値や中性脂肪値が高くなる脂血異常症が大きな原因だと言われています。
脂質の一種であるコレステロールは、細胞を作る重要な成分ですが、コレステロールを多く含む食品を摂りすぎることによって、
血液中のコレステロールが増加し、動脈硬化が進行することで、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まります。
アリシンは、血液中のコレステロール値の上昇を抑えて、生活習慣病を予防する効果があります。
- 血液をサラサラにする
アリシンにはドロドロだった血液をサラサラにして血液の流れを正常にする効果もあります。血液がドロドロになると脳梗塞や心筋梗塞の原因となり
血栓が血管内にできて健康を害することになります。
アリシンを含むイオウ化合物には血行を促進する効果もあり、血液をサラサラの状態に保つ働きがあり、健康的で正常な血液になります。
- 血糖値の上昇を抑える
血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖の量を表す数値でアリシンは、血糖値の上昇を抑えて、糖尿病を予防する効果があります。
肥満や運動不足などの生活習慣が原因で、血糖値が正常に保たれなくなると、糖尿病が引き起こします。
糖尿病とは、生活習慣病のひとつであり、エネルギーとして使われるはずの糖がうまく細胞に取り入れられず、血液中に残ってしまい、血糖値が高くなる病気のことです。
アリシンは、ビタミンB1と結合してインスリンという血糖値を正常に保ちホルモンの分泌を促し、血糖値の上昇を抑える効果があります。
- 感染症の予防
アリシンには強い殺菌作用があります。このため体内に侵入した細菌やウィルスを撃退し風邪をはじめとする感染症を予防したり、
食中毒のサルモネラ菌やチフス菌、コレラ菌をはじめとする病原菌から体を守る効果があり食中毒を予防する効果があります。
- 抗酸化作用
アリシンは、その強力な抗酸化作用により、有害な活性酸素を除去してくれるため、生活習慣病の予防、老化防止、がん予防にも高い効果があります。
アメリカ国立がん研究所では、アリシンを豊富に含むニンニクを、食品中、もっともガン予防効果のある食品としてあげています。
- 食欲増進作用
アリシンによる香りは、唾液や胃液といった消化液の分泌を促し、胃腸の働きを活発にさせるため、食欲を増進し、消化吸収を高める効果があります。
アリシンの豆知識
- アリシンの効果的な摂り方
アリシンは、細胞を壊すことによって発生するため、きざむ、潰す、すりおろすなどして生のまま薬味として使うようにすると一層、健康的な効果があります。
また、アリシンは加熱に弱く、茹でる、素焼きにするなどといった調理法では効果は激減してしまいます。
しかし、油で調理するとアリシンの成分そのものが壊れにくくなるといわれています。
- 臭い対策
アリシンの匂い対策で効果が期待出来るのは、消臭効果のある成分を含んだ食べものを食べること。
消臭効果がある食べものはりんご、お酢、緑茶、コーヒー、牛乳などがあります。
胃の中の臭いのみが原因で息が臭くなる、と考えている人が多いようですが、実はアリシンは、食後まもなく血流に乗って全身に循環します。
特に外気と血液の接触点である肺からは臭いがしやすく、この対策まで出来ないと、息のにんにく臭さは解消できません。
にんにくの消臭のためには、消臭作用のあるものを一緒に摂取し、アリシンが体内に吸収される前に分解してしまう必要があります。
消臭効果のある緑茶と一緒ににんにく料理などを食べると効果的でしょう。