腰痛の原因
腰痛は突然起こる急性腰痛症や繰り返し起こる慢性腰痛症などがあります。
内臓疾患で腰が痛くなるケースもあり、その原因は様々です。
- 姿勢が原因の腰痛
肉体労働や長時間座り続けるデスクワークなどで腰痛になることがあります。体にとって良くない姿勢を長時間続けると腰を支える筋肉が
弱まり、それが毎日続くと椎間板の水分が減少し、そこに亀裂が入るといった変化が起こる可能性もあり、状態によってはそれが原因で
腰痛の症状を引起すことにあります。
- 内臓疾患が原因の腰痛
体の動きに関係なく、どんな姿勢でいても腰痛が改善しない場合は、腰痛の原因が内臓から来ている事が多いようです。
また、熱がでたり、腹痛を繰り返したり、不正出血があったり、他の症状が同時に出てきた場合は要注意ですので病院に行って下さい。
腰痛を引き起こす内臓疾患は数多くありますが、その中でも最も注意すべきが癌になりす。
癌で一般的に多いのが、泌尿器の癌、消化器の癌や、女性には更に子宮癌や卵巣の癌などがあります。
そして、お腹の内側にある内臓の癌であれば腰痛を引き起こす可能性がありますので、
腰痛になった場合は病院で検査をして下さい。
腰痛の種類
- 椎間板ヘルニア
加齢による変化、スポーツなどによる負荷がきっかけで、椎間板の中身が飛び出して神経根や脊髄(せきずい)を圧迫し、
腰の痛みや足のしびれを引き起こします。手術が必要なこともありますが、軽度の場合は姿勢や動作に気をつければ自然に治ることもあります。
椎間板ヘルニアの特徴として、長い時間同じ姿勢で作業をする仕事の人、デスクワークの多い方や立ち仕事の人などに多く見られます。
また、急に重いものを持った時や運動時にひねってしまうことも、背骨に負担をかけるため、椎間板ヘルニアになりやすくなります。
- 腰椎分離症・腰椎すべり症
腰椎分離症と腰椎すべり症は、症状や原因が似ているために、同じようなものだと誤解される人が多いですが根本的に違う病気になります。
腰椎分裂症の場合、椎骨棘突起が折れてしまい、腰痛が起こりますが
腰椎すべり症の場合、椎体が直下の椎体に対して前方にすべっていることによって腰痛が起こります。
こうした根本的な原因の違いがありますが、症状的に違いがありません。
腰椎分離症と腰椎すべり症は、ぎっくり腰などの急性の腰痛と違って、年配者に多く見られる腰痛です。
この二つの腰痛を引き起こす主な原因は、靭帯組織や椎間板の劣化によるものです。劣化の原因は加齢によるもので、
若い頃では耐えられていた負荷が、年齢を重ねると共に過負荷になってしまうにも関わらず、
若い頃の感覚でいるために、腰椎がすべってしまうことになるのです。
- 変形性腰椎症
椎間板内の水分が減少することでクッションの役割が低下し、椎体が刺激を受けて、骨棘(こっきょく)という骨の一部が棘状に突出したものが出来てしまい、
椎間板を傷つけてしまいます。これが神経を刺激し痛みやしびれを引き起こします。
骨と椎間板の老化によって起こるもので、変形性関節症と同類の病気です。脊椎のうち、腰の部分に起きた変形性脊椎症を、
腰部変形性脊椎症または変形性腰椎症と言います。
椎間板や関節、靭帯が老化によって劣化することによって腰痛が起こります。変形性腰椎症の場合、40代以降になると多く見られる症状です。
- ぎっくり腰
ぎっくり腰は急性腰痛、椎間捻挫とも呼ばれ、いきなりグキっという衝撃と共に、腰が強烈な激痛に襲われるものです。
ぎっくり腰は腰椎が瞬間的にずれてしまい、腰の筋肉が負荷に耐え切れずに炎症を起こしてしまうことが原因で起こります。
ぎっくり腰と呼ばれるものは、検査をしても椎間板や骨格組織にも異常が認められませんし、神経痛も発症しません。
目立ったものがないにも関わらず、腰痛の症状がある場合には、ぎっくり腰や急性腰痛、椎間捻挫などとよばれます。
- 脊柱管狭窄症
脊柱管は背骨にある脊髄中枢神経の通り道のことを言います。背骨が正常な形をしていればなんの問題もありませんが、背骨が歪んでいると、
その場所は狭くなってしまい、足へ向かう神経を圧迫して腰痛や痺れを引き起こします。この状態を脊柱管狭窄症と呼んでいます。
腰痛、腰の周りが重かったり、違和感、はり感があるなどに加えて足にしびれや痛みがでる普段はなんともないが、
歩き出すと足がしびれて歩けなかったり、歩きにくくなるが、前かがみで休むとまた歩けるようになるなどの症状が
腰部脊柱管狭窄症の代表的な症状です。
- 骨粗しょう症
骨の密度が減少し、骨がもろくなって起こる病気です。ある程度以上の負荷がかかると圧迫骨折を起こすこともあります。
60歳代の女性の3人に1人は骨粗しょう症と言われています。
骨粗しょう症を放置すると骨折の危険性が高まり、高齢者では骨折から寝たきりへとつながってしまうこともあります。
まず煙草は骨粗しょう症の危険因子の1つですから、できるだけ禁煙を心がけて下さい。
飲酒は適量であれば大丈夫です。1日に、日本酒なら2合、ビールなら350ml缶3本、ワインならグラス4杯程度を目安にして下さい。
また、コーヒーは1日2杯程度までにした方が良いでしょう。
腰痛の予防
腰痛を予防するには、正しい姿勢で生活することが大切です。腰に負担がかかるような姿勢は取らないようにする。
- 腰痛に良い姿勢
立っているときはあごを引き、背筋を伸ばして下腹に力を入れる。猫背やそらし過ぎ、また中高年にありがちなお腹を突き出した姿勢は腰に負担をかける
ので注意して下さい。
歩くときは、足先を外側に30度位開き、膝を伸ばしかかとから地面につけること。
腰痛に良い座り方は 座面の奥の方までしっかりと腰かけ、座っている状態でよく使うものをできるだけ自分の元に引き寄せ背筋を伸ばすように座りましょう。
座りが浅いと無意識に前かがみになりやすく安定した姿勢を取ることができません。
また座りが浅いと、ふんぞり返ってキーボードをたたいたり、本人も気づかないうちに、背中が丸まったり、腰が曲がったりしています。
背中を丸めると腰痛のみならず肩こりを引き起こ原因にもなります。
- 生活習慣
バランスのよい食事によってカルシウムやビタミンB、ビタミンDなどを摂ることが、骨粗しょう症など腰痛の原因となる病気の予防にもなります。
また、タバコ(ニコチン)が椎間板に悪影響を及ぼすと言われているので、喫煙は控えましょう。
精神的なストレスが長引くと腰痛の原因になると言われています。
40℃位のぬるめのお湯に入浴することは、血行をよくして筋肉の緊張をほぐし腰痛を改善するとともに、日常のストレス解消のためにも良いでしょう。
痛みがなければお風呂上がりのストレッチもおすすめです。
- 運動
筋力が衰えると腹圧も下がり、腰の支持性が低下します。背骨や腰を支える筋肉の柔軟性を保つために日々適度な運動を心がけましょう。
ただ痛みがあるときは安静にし、運動やストレッチは痛みが十分に治まってから行いましょう。
腰に良い運動は水中でのウォーキングで水の抵抗で筋力がつき、浮力により腰への負担が軽くなるのでおすすめの運動です。
腰痛体操やストレッチなどは腰を支える筋肉を強化し柔軟性を高め、姿勢を矯正する効果があります。