人間の体重の約60%近くは水分で血液では約83%が水分です。
体内の水は、大きく細胞内液と細胞外液に分けられます。細胞内の水分は体内の水分の約2/3を占めています。
残りの1/3の細胞外液というのは体内を循環する血液とリンパ液、細胞と細胞の間に存在する細胞間液があります。
体内にある水分は、栄養分や老廃物を血液中に溶かし運びます。老廃物は血液に溶けた状態で腎臓に運搬され、ろ過され尿とし排出することで
血液成分濃度を一定にしています。
また、体内で起こる様々な化学反応は水に溶けた状態で進行することで細胞活動を維持し、体温を調節します。
人間の体温が常に37度程度に保たれるのは、水が温まりにくく冷めにくいということに起因します。運動などで体温が上昇すると、汗をかき、
体表面で蒸発するときに熱を奪うことで体温を維持し、健康に保っています。
血液は、体の隅々まで酸素、栄養、ホルモンなどを運ぶ重要な役割を担っていると同時に、老廃物や過剰な物質を運び出し、
体外に排泄するという大切な働きをしています。その血液の半分以上は血漿(けっしょう)という液体です。
そして、血漿の水分は91%でほとんどが水でできています。血漿にはナトリウムイオン、塩化物イオン、タンパク質などさまざまな成分が溶けていて、
体に必要な栄養や酸素は、この水分にのせて運ばれて健康維持しています。
人間の平熱は 36~37℃ ですが、体温が1~2℃位上がったり下がったりするだけで体調が崩れてしまい、健康を害してしまいます。
体温調節はとても重要なことですが、体内の水は体温を調節するために大切な役割を持っています。
例えば汗をかくことは、体温を一定に保つための重要な働きです。
水は蒸発するときに熱を奪う性質を持っており、汗をかいたときにこれが利用されます。
つまり、皮膚から汗が蒸発するときに熱が奪われるため、皮膚表面の温度が下がり、夏に気温が上昇した時や運動をして体温が
高くなったと時などに汗をかくのはこのためです。こうして、体温の上昇を防いで、健康を維持します。
血液中の水分を増減させることで、血液量を一定に保つと同時にその濃度を適正なバランスに調節しています。この働きにより、血圧を正常な値に保つことができるのです。
体内の電解質を溶かし、そのバランスを維持する。浸透圧の平衡を維持し、体細胞の形態を保つ。
体内の水が充分保たれていれば、血液がサラサラになり、体の隅々まで循環し、全身の細胞に酸素が補給され、体は健康に保たれます。
体内の水不足は、様々なトラブルを引き起こす原因になります。熱中症や脱水症状なども水分不足が引き起こす危険な状態です。 喉が渇いたと思った時には、すでに体内の水が不足しているという注意信号です。喉の渇きを感じる前に、水分を補給するように心がけて下さい。